《A.O.Z Re-boot》機設更新—地球聯邦軍次世代主力機開發史②

《A.O.Z Re-boot》機設更新—地球聯邦軍次世代主力機開發史②

Vol.59

●RMS-117 GALBALDYβ

ガルバルディβ

一年戦爭中にジオン公國軍が実施した、「ペズン計畫」において開発されたMS-17 ガルバルディの再設計機。ガルバルディ自體、MS-14A ゲルググとYMS-15 ギャンをベースにその両機の性能融合を意図した機體で、一年戦爭時の機體として極めて高いポテンシャルを有していた。戦後、本機を接収した地球連邦軍が近代化改修を施し、RMS-117 ガルバルディβとして配備するに至った。後年、アクシズ(ネオ・ジオン)が開発、運用したAMX-117R(L) ガズR(L)もガルバルディと似た外観を有する。これは機體の再設計に協力した舊ジオン公國軍系のAE社の技術者によってそのデータがネオ・ジオンに渡ったためと言われている。

「TR計畫」においては、本機を素體として実験機が開発されている。RMS-117 ガルバルディβ(高機動型)で、本機はトランスパックシステムの開発から発展したガンダムTR-1型のバックパック上部に取り付けられるポッドの拡張機能(ブースターポッド、マルチコネクターポッド、トライ・ブースターなど)の実験機としての側面を有していた。なお、素體となった機體は開発時期の関係上、トランスパックシステムに対応していない。そのため、胴體部〜背部にかけて強化処置を施している。具體的にはフレームと裝甲を増設し、そこをベースとして胴體前部のラッチを介してバインダースラスターを、背面上部には可動式の試作型高機動ブースターポッドを搭載する。この試作型高機動ブースターポッドは、両サイドのラッチを介して、

1:シールド・ブースターやバインダースラスターなどの推進器ユニットを取り付けての高機動機化。

2:ビーム/実體弾式大口徑キャノン、ミサイル・ランチャーなどの火器を取り付けての中距離支援機化。

3:レドームやセンサーなどを取り付けてのEWAC機化。

という3種類のトランスパック機としての運用が可能で、これは後にガンダムTR-1やガンダムTR-6のマルチコネクターポッドへと引き継がれた。

なお、この試験機はパイロットを務めたマキシム・グナー大尉がエゥーゴ側への離反時にその実験運用計畫データとともにAE社の手に渡った。このデータが後のリック・ディアス[シュトゥッツァー]やネモ・カノンなどが裝備するAE社製シールド・ブースターの開発に役立てられた。

ティターンズでは、この試作機のさらなる強化によるアドバンス化——その際の機體名は通稱「ガルバルディγ」ことアドバンスド・ガルバルディ——を行う予定であった。

しかし、機體の喪失により実験は、[アドバンスド・ヘイズル]へと引き継がれた。

グリプス戦役時における実機の運用は未確認だが、戦役後にトリスタン艦隊によって火星に持ち込まれ、レジオンの手によって少數が生産された。

さらに、後の火星で発生した「輝ける星」作戦時には、建機仕様に改造、運用されていた機體が、反亂軍の手によって戦闘に投入されている。

●RMS-106 HI-ZACK

ハイザック

一年戦爭後初の地球連邦軍の主力MSであるハイザックは、舊ジオン公國軍のザクⅡF2型を母體とし、AE社と地球連邦軍が共同で開発した機體である。またバックパックや腳部にはザクR型系列の設計も盛り込まれているとされる。

本機のベースとなった機體がYRMS-106 先行量産型ハイザックである。本機はT3部隊で運用試験が行われ、そのデータがハイザックの開発に反映されているほか、ハイザック・カスタムなど、他のハイザックのバリエーション機の始祖ともなった。

また、この先行量産型ハイザックとビーム・キャノンユニットを組み合わせた機體が、YMS-106+BL-85X バイザックTR-2[ビグウィグ]である。一年戦爭時にもスキウレやバスとライナーなど、MSが登場するタイプの大型のビーム・キャノンが存在した。この[ビグウィグ]はそれを発展させたものであり、後のメガ・ランチャーやRX-124 ガンダムTR-6[インレ]のビグウィグ・キャノンⅡの開発に反映された。

ハイザックはトランスパックシステムによるバックパックの換裝システムを備えており、高機動タイプや中距離支援タイプ、EWACタイプなど、様々な仕様で運用することが可能であった。

なお、グリプス戦役におけるエゥーゴ陣営の高性能MS投入に対抗するため、本機もアドバンスド化改修が施された。改修機は通稱アドバンスド・ハイザックと呼ばれ、ハイザック飛行型のベースとしても使用された。

●RMS-108 MARASAI

マラサイ

ハイザックに次ぐティターンズの主力機だが、當初はエゥーゴでの運用を想定していた。しかし、AE社の政治的判斷によりティターンズへと譲渡されたという経緯を持つ。RX-107 ロゼットは本機の試験機として開発された機體で、ハイザックをベースとしていたこともあり、腕部、腳部などを中心に換裝が可能である。

RX-107+NRX-005X ロゼットTR-4[ダンディライアン]では、大気圏突入ユニットの裝著やMA形態における高速格闘戦性能の運用実験が行われた。この実験で得られたデータは、後のNRX-055 バウンド・ドックやガンダムTR-6[インレ]の下半身ユニット(RX-124+NRX-005-2 ガンダムTR-6[ウーンドウォート]ダンディライアンⅡ形態)の開発に反映されている。

トランスパックシステムにも対応しており、バックパックの換裝によって他のアドバンスド機と同じく多様な用途に対応可能であった。さらに、アドバンスド化改修機=アドバンスド・マラサイは陸戦型マラサイ(ダイダロスユニットやグラン・ユニット)の管制ユニットとしても運用された。

●RX-121-2A GUNDAM TR-1 [ADVANCED HAZEL]

ガンダムTR-1[アドバンスド・ヘイズル]

RX-121-2A ガンダムTR-1[アドバンスド・ヘイズル]は、RGM-79Q ジム・クゥエルを母體として開発されたRX-121-2 ガンダムTR-1[ヘイズル2號機]を改修した機體である。改修にあたってはRX-121-1 ガンダムTR-1[ヘイズル改]をベースとしつつ、さらに[ヘイズル改]で得たデータも反映されている。また、機體各所に裝著した強化パーツの開発と運用の実験形態でもある。これは、グリプス戦役の激化に伴うエゥーゴ陣営の高性能MSに対抗するために、既存機の高性能化改修=アドバンス化構想によるものである。

本機によって得られたデータは、グリプス戦役前後において採用された地球連邦軍各機にも反映され、それぞれの機體のアドバンスド化構想に役立てられた。

●RMS-154 BARZAM

バーザム

後のグリプス戦役末期におけるティターンズの主力機のひとつ。RX-124 ガンダムTR-6の開発の遅れからRX-121-2P ガンダムTR-1[ヘイズル・アウスラ]に次ぐ主力機として量産された機體で、RX-123 ガンダムTR-Sの簡易設計機にあたる。

設計段階で、[アドバンスド・ヘイズル]をはじめ、各アドバンス機によって開発された強化パーツ群——モノアイや大型のブレード・アンテナ、トランスパックシステム、腰部裝甲の簡略化、膝部の大型スラスター、ハイヒール狀の足部——が反映されており、機體各所に標準的に搭載されている。

●地球連邦軍次世代機開発史II

グリプス戦役初期/U.C.0087

前回(vol84)では、地球連邦軍純正の主力機であるジム系MSについて解説した。今回は、一年戦爭後、ジオン公國軍系の技術者や技術を吸収したアナハイム・エレクトロニクス(AE)社と地球連邦軍の協力體制のもとで開発・生産された主力機を紹介する。ジオン公國軍の優れた技術を得た結果、ティターンズ(と地球連邦軍)の運用するMSの一部はモノアイを搭載した機體となった。

また、グリプス戦役前に開発、生産、運用された機體をはじめ、紛爭勃発後にTR計畫で開発、使用された機體の高性能化改修=通稱アドバンス機を紹介していく。

來源:78動漫